ペットだなんて、言わないで

「あぁ、すし屋だもんな。すし食べる?」


「すしー?」


「そう。お魚さん食べたいんじゃないの?」


 その問いに、ハルは首を振って答える。


「お魚さんも、きっと人間になって自由に遊びたいんじゃないかなって」

「ハルと同じ気持ち?」


「んー。ハルは渉の傍に居たいからってお願いしたの。猫じゃ……相手にしてもらえないもん」



 人間になって抱っこもしてもらえなくなって、きっとキツいだろうな。


 そう思ったらちょっと、いや、物凄く申し訳ない気持ちになった。


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