ペットだなんて、言わないで

「これがいい!」


 ハルが選んだ扇風機は、小さくもなく大きくもなく、中型サイズだった。

 色はハルの好きなピンク。


 ――でも俺の部屋にピンクって、俺の好きな色って思われそうで嫌だ。


「あー、うん。機能的には問題ないんだけど……他の色無いの?」


 物色してるところに、様子を伺ってた店員が近付いてくる。


「いらっしゃいませー! お客様は扇風機をお求めで?」


 俺ね、本当にこの営業スマイルが苦手なの。


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