ペットだなんて、言わないで


 返事がないから立ち上がると、メグちゃんも一緒に立ち上がる。

 初めてこんなに近くで見たけど……キレイな髪の毛だなぁ、なんて思った。


「行っちゃうの?」


 一瞬、揺らぎそうになった。

 でも……俺が居る場所はここじゃない。



「うん、多分もう……ここには戻らない」

「ふふっ。やっぱり」

「え?」


 やっぱりって?


 イタズラに笑うメグちゃんの表情からは何も読み取れない。


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