ペットだなんて、言わないで


「行ってあげて? 待ってるんでしょう?」



 ――待ってるわけない。

 あんなに酷い言葉浴びせたから……もう俺のところへはこない。



「あの子は、渉さんだけを待ってるよ」


 でも、でも……その言葉で背中を押してもらった気がする。


「……分かった!」

「ケンちゃんには私から言うから……」



 俺は頷くと、メグちゃんの部屋を後にした。

 メグちゃんが何か言っていた様な気がするが、もう俺には届いてこなかった。



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