蜜林檎 *Ⅰ*
「びっくりした」

「ごめんなさい」

二人は笑い合った後

見つめ合う。

そして、別れを惜しむように
 
何度も何度もキスを交わす。

杏は車が見えなくなるまで

手を振り続けた。

その様子を、見つめる雅也が
近くにいた事にも

気づかずに・・・
 
あの後、朝帰りをした杏に
雅也は何も言わなかった。
 
もう、杏も大人の女性

親が口を出す問題では無い。

いい加減、子離れしなくては

・・・・・・

そう思う雅也は

少し寂しい気持ちになる。
< 314 / 337 >

この作品をシェア

pagetop