アイゼンハイムからの招待状
その時の対処を考えていれば。
窓が割られた音がした。
皆の心臓が飛び上がる。
何せ、近い。
恐らくは、この広間近くの廊下の窓が割られたのだろう。
「な、なんや!」
「部屋の隅に!」
慌てふためく荻原を制し、的確に指示を出す蓮見。
部屋にあったコートをかけるための棒を手に取り、扉の横に立つ。
「と、灯籠……!」
「みんなとそこにいろ!」
駆け寄ろうとする菜子を叱り、蓮見は全神経を扉の向こうに置いた。
窓を開ける音。
どさりと不自然に廊下に入り、扉の前で。
「あけてっ、あけてっ」
「そーちゃん!」
荒々しいノックの音と共に、聞きなれた声を耳にした。