声恋 〜せいれん〜




「そろそろ出番ですよ、凛ちゃん」




マネージャーさんが待合室に呼びにくる。




「はーい、いま行きます」




ハッキリと、大きな声で返事をする。




そして大きく、深呼吸。




お兄さま…いままでありがとう、凛は、これからは、一人で大丈夫…やれます!




大丈夫…わたしは、できる。




…だから、見守っててね…。




…陽菜。




わたしは台本を手に取ると、新しいステージに向かって歩き出した。



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