君と、恋
First episode






「お前最近3年のやつと仲良いんだってな」



ふと十夜が口にした言葉。




「何よ、急に」




普段この手の話を全くしない十夜の口から、


男の話が出てくると思わなかった。






「別に。聞いただけ」




あたしは十夜の横に走って追いついた。





「友達が仲良くて、あたしも仲良くなっただけだよ」




十夜の方を見て言うと、



十夜は前を見たまま言葉を放った。




「別にどうでもいい」





冷たい視線を浴びせられたあたしをよそに、



十夜はスタスタと歩いて行った。




「何なのよ…もう」




あたしは意味の分からない十夜の発言に


頭を悩ませながら、急いで追いつこうと


足を速めた。








「………なよ」




ぼそっと呟いた十夜の言葉が聞こえなかった



あたしは、もう1度尋ねた。



「え?」



「…別に」



「…?」



強引でわがままな男に育った十夜は、


今のあたしでは何も理解出来ません。




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