ありえないヒトメボレ
突然の告白
「ねぇ、ちょっと待ってよ。」
「はい?」

あ、さっきのアイドル君。『蘇我 奏汰』そが かなた。通称『カナ』。

「名前、教えてくれる?せっかくの出会いは大事にしたいから。」
「八緒。」
「やつお?苗字?名前?」
「名前です。苗字は柊。」
「ひいらぎ やつおちゃんか。歳は?」
「21。」
「え?うそ。」
悪かったね。どうせ私は背が小さいよ。顔も丸いよ。平均して5歳位若くみられるよ。でも正真正銘21歳です。
「へぇ、俺も大体若く見られるほうだけど・・・驚いたな、あ、俺26歳ね。」
知ってます。ぱっと見ハタチくらいにしか見えないけど。
しかし背が高いな・・・首が痛い・・・。

「八緒ちゃん、今、彼氏いる?」
「・・・・。」




そういう事は聞かないで欲しい。
私にも色々ある。


「いないです。」
「あ、そう。じゃあ、俺と付き合おうよ。」














は?











今なんと?


「彼いないなら、俺と付き合おう。はい、決定。」
待った。決定って。

あまりに驚いてぼーっとしていると勝手に私の携帯電話を取り上げて赤外線通信してる。

「俺、仕事あるからあまり会えないけど、メールはするよ。けっこうマメだから。あ、もうこんな時間か、じゃ、あとはメールで。」

勝手に喋って勝手に去っていった。

ちょっと待って。
返事も何も私一言も発してないんですけど・・・。
前言撤回。
今日アイドルに会ったことは友達に言えない。
ましてぽやっとしている間に付き合うことになったといったら・・・
カナファンの親友に殺される。



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