君は空を愛してる。
胸の真ん中に、一番目立つ傷跡。

まどかはあまり
直視したくなかったが、
逃げてばかりはダメだと
思い直して祥太の体を拭いた。

全て拭き終わり、
新しい服に着替えさせる。

「お父さんのだからちょっと大きいね。」

祥太は背だけは高いのだけど、
体は痩せているから
父親のパジャマがブカブカだ。

「いいよ、別に。」

「そか。ゆっくり休みなよ。
まだ熱あるんだから。」

「はいはい。」

そう言うと祥太は横になった。

温くなった冷却シートを
新しいものに替えた
まどかは部屋から出た。
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