真実の奥に。
屋上に辿り着き、
目の前のドアノブに手をかける


カチャ・・・




開けた瞬間、強い風が吹き込んで、

あたしは片腕で自分の顔を覆った


そのまま、屋上の端っこへと進む



床に視線を向けると見えた物体を見て見ぬフリをしながら。






この学校用のシューズがポツンと置き去りにしてある理由も、

それが整然と並べられている理由も、


分かりきっている。





時間をかけてそのシューズの前にしゃがみ、



「沙羅」



と、かかと部分に書かれている名前を見た瞬間。



「う・・うわぁぁぁぁぁぁぁっぁあああ!」




一気に感情が押し寄せてきた







どうして?

どうして沙羅は、自ら命を絶ったの?








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