真実の奥に。
「お前は、」

「・・・はい。」


これからまた軽く説教が始まる


だけどそれを喜ぶ自分がいる


だって、紙のことを知られて、教師に相談したところで、結局は自分の手で解決しなければならないわけで。


これ以上厄介なことにしたくないあたしにはありがたいことだった




「お前は、授業だけはちゃんと受けるヤツのはずだ」

「・・・・」

「成績は並以下でも、授業はしっかり聞いて、板書する真面目なヤツだ」

「・・・・」

そうですそうです。

だから、阿保な顔をするのはやめて、いつものごとく授業を受けろと言いたいのですね?



さあ、なんて言おうか。”ごめんなさい、昨日夜更かししてしまって、身が入らなかったんですよ”でいいかな?




「次ボケっとしてたら、その時は聞くからな」

「はい」


「分かったなら行け。次の授業に遅れんなよ」



あたしは回れ右をして、国語教師に背を向けた




ん?ちょっと待てよ・・・



”その時は聞くからな” ・・・?!

んん?


本当は一度立ち止まってよく考えたかったけれど、ここは職員室だから、

とりあえず廊下まで出た








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