真実の奥に。
聡太君は私の隣のクラス、2ー2だ


隣のクラスのことだけあって、人見知りな私でも聡太君のことは知っていた


サッカー部所属の爽やか君。

彼女の噂は聞いたことがない


背は165・・・くらいかな

人当たりが良く、友達も多いと聞いている




だからこそ。


「あの・・・聡太君。」

「ん?」

「私たちが付き合ったこと、みんなには内緒にして欲しいの。」

「・・・・。」

「あっ、別に嫌なわけじゃないよ?ただ、噂になるのがあまり好きじゃなくて・・・」

「・・・・。」

どうしよう。怒らせてしまったかな。それならいっそ、さっきの告白を取り消してくれないかな。



「あいつに知られたくないの?」



「えっ、」

”あいつ”とは、恐らく前の彼氏のこと。

別にそういうわけじゃないのに。
ただ本当に、噂を立てられるのが嫌なだけで。

前の彼氏とも同じような決まりをつくったのも、理由は一緒だった


でも、そう言われると、その思いもすこしはあったかもしれない

彼に、コロコロ相手を変えてしまうやつだなんて、嫌な印象を与えたくない


何も返事が出来ずにいると、聡太君はそんな私を見ておかしそうに笑った


「うそうそ。冗談だよ。ちゃんと俺、事情知ってるから」


・・・・・・?


ワンテンポ遅れて、オウム返しをする。

「・・・・・事情?何の?」

私がキョトンとすると、

聡太君は急に真面目な顔になった










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