リアル -夏-
おかんは
『ええ、ええ、いいですよ。ほんとにアキッたら』
そういって病室を出て行った。それに付き添うようにおとんも出て行った
『悪い、お前も出て行ってくれないか?』動こうとしないコウに言った。
まだいい足りなさそうな彼女も俺の目を見てしぶしぶ出て行った。
ガチャ。最後の一人が出て静まり返る病室。
さっきまでのうるささが嘘のようだ
『なん…』
『なんであたしを助けた?』
またも俺の言葉を遮り彼女は言った。何でって、言われても
『何であたしを助けてしまったの?』下を向いていた彼女がバッと顔を上げ俺を睨んだ。
その目には強い怒りがあった。
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