瑠璃色の華
井戸へ行き釣瓶を落とし水を汲み上げる。

「よいっしょ。」

それをたらいに移し蓮は洗濯を始めた。

ジャブジャブと汚れた部分を洗濯板にこすりつける。
(後宮の女官の人達もこんな思いをしながら仕事をしてくれていたのね…。)

改めて世話をしてくれていた女官達に感謝をした。

(父上と伯明様はどうしていらっしゃるかしら…。)

宴会のあったあの日から3週間。あの夜以来水寓刀は少しも光もしないし、幻を映すことも無かった。

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