花とアイドル☆《完》
絡みあった視線をそらすことも
できず、花乃はただ固まって立ち尽くすばかりだった。


と――。


時間が止まってしまったこの空間を、動かす呪文を紡ごうとするかのように。


少年が、ゆっくりと口を開いた――。


「あなたは――」



「堀内さん?

どうかなさいましたか?」


―――――!!


少年の声を遮って耳に届いた大きな声に、花乃は飛び上がった。
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