花とアイドル☆《完》
「ありがと。

そう言ってもらえて、安心した。

あたしもね――次に朱鷺田さんに
会ったら、ちゃんと言わなくちゃ
って思ってたの。

あたしは、このまま本郷家にいた
いから、出て行ったりできません
って」


「花乃さん――!」


「ご、ゴメンね

拓斗クンのことでもあるのに、
勝手に自分で決めちゃってて」


「謝ることなんかねーじゃん!

そう言ってくれて、こっちが
嬉しいくらいだよ!」


その言葉は、本当に拓斗の本心
なんだろう。


はっきりそう思えるほど、拓斗は
曇りのない笑顔を見せていた。


「決まりだな。

二人で、ちゃんと朱鷺田さんに
話そう。

心配なのも分かるけど――認めて
もらえるように」
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