婚約者☆未満

「お、お、お嬢様。
や、安永智代(ヤスナガトモヨ)です。
よ、よろしくお願いします」


お辞儀をする安永さんに、あたしも「よろしく」とこたえた。


お互いの挨拶が済むと、貝塚さんは申し訳なさそうにあたしの方を向いて言った。


「では、私は接客がありますので店の方に戻りますが、何かありましたらいつでもおっしゃって下さい」


あたしが頷くと、貝塚さんは安永さんに「よろしくね」と声をかけ、倉庫を出て行った。


あたしは安永さんに向き直って聞いた。


「で?
何をやればいいわけ?」


< 83 / 270 >

この作品をシェア

pagetop