恋するカメラ
当時、四年間つきあって同棲していた彼氏、健は
レコード会社勤務のバリバリ営業マンだった。

でもやっぱり派手な世界だから、中身は地味なわたしと合わず、半分彼が新しい女をつくりそうなタイミングで破棄(笑)

それはそれは辛かったけれど、そこから丸二年…

まったく、彼氏をつくらなかった。

この私が?

それまでは何人も男友だちがいて、正直ヤレる男の子もたくさんいた。

といっても若気の至り…

その頃は悪いことばかりしていて、だいたい麻薬以外は警察につかまりそうなことも全部やりつくした(笑)
それぐらいあの頃は焦燥感がひどかった。

東京はじめての独り暮らし。金銭感覚もまだおぼつかない不安。

それに加え、ナチュラルな性欲(笑)

それらが押さえきれず、うずのように沸き上がって
わたしを男の人に向かわせていた。

彼らの腕枕、隣に寝てくれたこと、抱かれ、求められることでわたしは価値があるって、実感できた。

その時だけ…
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