私にはあなたがいる。

「もー。まぁいいや。でね、山畑先輩のことなんだけど…沙雪、野球部の人と知り合い多いでしょ?聞いて来て欲しいの」
「なにを?」
確かに私は野球部に知り合いが沢山いる。
まぁ、マネージャーだから当然だけど。
「なにを?って。決まってるでしょ?彼女がいるかどうかよ」
「さぁ?多分いるんじゃないの、モテるし」
「だから、そういう適当な憶測じゃ無くてっ」
多分居ないだろう。だって山畑先輩は部活で忙しいのだから。
成績優秀、スポーツ万能、しかも親切。
非の打ち所が本当にない。
しかも家が隣だけあって山畑先輩と私とは兄妹と呼びかわした仲でもある。
「んー…はいはい。聞いといてあげるわよ」