好きになっちゃ悪いかよ?
「理緒!」

ふと、咲菜の声が聞こえた。

辺りを見回してみると、松葉杖をつきながら、必死に俺の所にこようとしている咲菜がいた。



「咲菜!何しているんだよ!?」

人がたくさんいて危ないから、今日は来るなって言ってたじゃねーか。



「うん......あのね......これ!」

咲菜が差し出したのは、手作りの御守りだった。

「ごめんね。私が勝ってとか言ってたから、絶対にプレッシャー感じてるよね?でもね......私はやっぱり理緒に勝って欲しい。きっと理緒なら絶対に大丈夫!私が保証する!」

そう言って、ニッコリと笑う咲菜。



何でか......今まであった不安が、綺麗サッパリなくなったような気がした。

......勝てるかも知れない。
いや......勝たなきゃいけないんだ。
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