‡俺様リーダーと田舎娘‡
序章
あたしの名前は綾瀬 麻紀。
生まれてから修学旅行でしか都会に出たことがない。
一度でいいから都会で生活してみたいと思った麻紀は、思い切って田舎から都会に出てきた。
入学式までの一週間、毎日外にでて、いろいろなところを探検していた。
都会に来てから3日たった頃、麻紀は危険を感じた。
今、麻紀の目の前には明らかに危なそうな人達がいた。
タバコ吸って、ヤンキー座りしてる人もいて、バイクいじってる人もいて…
あまりにも危なそうだから引き返そうと振り返ったら、目の前にさっきの人たちよりも危なそうなオーラが漂ってる1人の男の人。
「誰。あんた」
横を通り過ぎて行こうとしたら男の人が喋った。
「えと、その、初めて都会に来たからいろいろ探検……」
「誰って聞いでるんだけど」
必死で説明しようとしたら、気に障ったようでさっきより低い声で聞かれた。
「あ、綾瀬 麻紀です・・・」
麻紀は名前を言うだけで震えていた。
何かされんじゃないか、リンチでもされんじゃないかとおびえていた。
しかし、男は全く別の言葉を発した。
「俺は如月 可威。お前、早くここから消えろ。痛い思いしたくなかったらな」
如月 可威と名乗った男が何故麻紀を助けたのか分からなかった。
でも、彼がいなかったら麻紀はここから無事では帰れなかっただろう。
だから、
「ありがとう」
一応お礼は言っておいた。
その日、麻紀は家に直帰した。
それ以来、あそこには近づかないようにしようと決め、入学式まであそこから離れた場所で遊んでいた。
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