‡俺様リーダーと田舎娘‡

練習 可威side

チームが決まって、体育の授業や、LTなどの時間を使って練習が始まった。
俺達も最初は全然やる気なかったけど、だんだん真面目にやるようになった。
ある日、クラス内で、試合をすることになった。
俺のチームは一番最初だった。
相手は、バレーボール経験者ばかりの強いチーム。
試合開始の合図があると、互いに挨拶を交わして位置に着いた。
麻紀と俺はバック。
相手のサーブから始まって、順調に進んでた。
だが、相手が23点、こちらが16点の時、もう少しで終わるという油断が麻紀にあった。
相手のサーブ。麻紀は、バックの中心にいた。
サーブはネットに掛かることなく麻紀の前へ飛んだ。
「麻紀!!」
俺は叫んだ。
相手のサーブは麻紀の顔面目掛けて飛んでいた。
俺の声にハッとした麻紀が前を見た瞬間、
ドゴッ ドターン
鈍い音とともに麻紀は倒れた。
「麻紀!!」
俺は麻紀の元へ走った。
周りがザワザワする中、
「先生、綾瀬さんを保健室へ連れていきます」
麻紀を抱き抱えて、保健室へ向かった。

保健室に入ると誰もいなかった。
「なんだよ、先生いないのか」
麻紀をベッドに寝かせて先生を探しに行った。
−数分後、保健医を連れて戻った。
「この子です」
麻紀を指して言った。
保健医は麻紀の容態を確認すると、
「脳しんとうですね。しばらく寝ていれば元通りでしょう」
簡潔な判断だった。
それを聞いて、教室に麻紀の荷物を取りに行き、ベッドの側にある椅子の上に置いた。
「−……」
麻紀の耳元で何か言うと、保健室を出た。
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