君に愛の唄を
私は無意識のうちにあの家の近くの公園に来ていた。
そして、いつもと同じようにブランコに腰を下ろした。
「…心菜?」
「りっ…く?」
「何で泣いて…学校は?」
そっちこそ会社は?
何で陸がいるの?
──神様は悪戯が好きみたい。
神様は、どうしてこの時に陸と私をこの公園で会わせてくれたんですか?
なぜか私は陸に全てを話していた。
今は蓮が好きってことも…
蓮が告白してくれたことも…
だけど今日、他の女の子と抱き合っていたことも…
「それは蓮が悪いな…」
陸は私の頭を撫でながら言った。
私も蓮が悪いと思うけど、どこかで許している私もいた。
…諦めている私も。
「どうする?これから…」
「わかんない。でも、しばらく蓮と会いたくないな…」
今は本当に蓮に会いたくない。
どんな顔をして会えばいいのかわからないし…、それに蓮の顔を見ると泣いちゃいそうだから。