君に愛の唄を



私は無意識のうちにあの家の近くの公園に来ていた。

そして、いつもと同じようにブランコに腰を下ろした。



「…心菜?」


「りっ…く?」


「何で泣いて…学校は?」



そっちこそ会社は?

何で陸がいるの?



──神様は悪戯が好きみたい。


神様は、どうしてこの時に陸と私をこの公園で会わせてくれたんですか?



なぜか私は陸に全てを話していた。


今は蓮が好きってことも…

蓮が告白してくれたことも…

だけど今日、他の女の子と抱き合っていたことも…



「それは蓮が悪いな…」



陸は私の頭を撫でながら言った。

私も蓮が悪いと思うけど、どこかで許している私もいた。


…諦めている私も。



「どうする?これから…」


「わかんない。でも、しばらく蓮と会いたくないな…」



今は本当に蓮に会いたくない。


どんな顔をして会えばいいのかわからないし…、それに蓮の顔を見ると泣いちゃいそうだから。

< 123 / 310 >

この作品をシェア

pagetop