君に愛の唄を


「突っ立ってないでこっちこいよ…」



ソファーに座っている蓮が私を呼んだ。


違うよ…蓮。


突っ立ってたんじゃなくて、蓮に見とれてたの。


私は「うん…」と蓮の隣に座った。


横が見れない。


あ~、バレてないかな?

私の心臓の音。


何で蓮の横にいることが、こんなにも慣れないんだろう…



「蓮…今日はありがとね。すんごい…嬉しかった」


「どういたしまして」



蓮…

いつもと違う蓮がすぐ横にいる。


栗色の髪の毛の蓮が横に…

眼鏡をかけてない蓮が横に…


あー!!もうダメだ!



「ねぇ、蓮……」


「ん?」


「眼鏡つけてよ…」


「はぁ!?」



はい…

ごもっともなリアクションです。


でも、ごめん。

やっぱり慣れないよ!
< 225 / 310 >

この作品をシェア

pagetop