君に愛の唄を


「なんだ、それ…」



そう言うと蓮は壊れたように大声でお腹を抱えながら笑いだした。


ちょ…

笑いすぎだから!


私は“バッ”と立ち上がった。



「だって…だって!今日の蓮、超かっこいいんだもん!!調子狂っちゃうの!」



蓮は笑い終えると私の左手を“ぎゅうっ”と握った。


──ドキンッ…


れ、蓮…?


蓮は座ったまま、下から私を真っ直ぐに見つめてきた。



「今日の心菜は可愛すぎ。調子狂うのは俺の方だよ…」



ねぇ…

身体中が痺れてくる。


無性に蓮が愛しく感じるの…


体の底から沸き上がってくる、この得体の知れない感情はなに?


頭がクラクラする。


こんなの…知らない。
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