君に愛の唄を


「蓮……」


──チュッ…


蓮は私の左手にキスを落とした。



「誕生日おめでとう」



かぁっ…と熱くなる顔。

手に残る蓮の温もり。


全てに神経が集中する……


すごく、好き。

すごくすごくすごーく大好き。



「生まれて来てくれて、ありがとな」


「ありがとう。本当に本当にありがとう」



そして私は自ら唇を蓮の唇に重ねた。



蓮に出逢えた奇跡は、

私が生まれたこの日から

始まっていたんだよね?



それなら、

私は一年の中で一番この日が大好き。



蓮に出逢えた奇跡は、私の人生の中の宝物だから…
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