彼は何より血を愛す
始めようか



ここは…………


どこだ。


濃い血の匂い。

気持ち悪い……

酔ってしまいそうになる。


頭を動かすと鈍い痛みを感じた。


あぁそうか
殴られたからか……。


小さなため息を漏らし


周りを見渡して吐きそうになる。


壁や床には血が飛び散った後があって
俺が寝ているベッドにも血の跡がある。


気付けば手足が縛られていた。


逃げないように……か。


そう思った時。


空がいないことに気付く。

辺りを見渡すと……


「ヒィッ!」


机に置かれた空の頭。




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