極彩色のモノクローム


薬指に通された指輪は、

サイズまでピッタリだった。


「いつの間にサイズ計ったのよ…。」


思わず呟いたら、
マスターは肩をすくめた。


「寝てる間に計った。」


…気付けよ私。

そう思ったけど、シンプルなデザインの指輪に
笑みが零れた。


「ピアスは奈々ちゃんに。左だけ、穴開いてるだろ?お前がかわりに付けておけよ。」


マスターはそう言って、箱を差し出してきた。


それを受け取って、
マスターを見上げた。


その右耳にお揃いのピアスが見えた。


よく見たら、
いつの間に左手の薬指にもお揃いの指輪がはめられている。


今つけていたピアスを外して、

奈々のピアスを付ける。


涙が溢れた。


「奈々…奈々にもプレゼントだって…」


震えた声で言うと、

マスターの手が

私の頭を撫でた。



< 170 / 173 >

この作品をシェア

pagetop