街で君の唄を聞いた
…実際は“白馬の王子様に手を差し伸べられて、その手を取って一緒に乗るの”、とかいう奴がいますけどね、日本には王子様なんて存在しませんよ。
現実見ましょうや。
まず白馬ってそうそういないんじゃ?
「あ」
うっすらと見える、小さな森。(というよりか林?)
森にはきっと何かあるんだろうとは思うけど…。
距離的に寄らない方向です。
何か逆方向で進んでるし!
「あれには近づかない方が良い」
顔にでてたかは知らないけど、どうも有り難う。
「…直接口に出して言えないのか?」
「阿呆。出せるわ」
「まぁついでに言うと、あの森は奇妙だからな。何故か夜になると、全体が発光し、変な声が聞こえてくるそうだ」
「…その噂を無くす気無いんだな」
「まぁ見たり聞こえたりなだけで、被害は何も出ていないからな。被害が出ていれば別だけど」
ふーん。
被害届け出てなくても普通やるだろ。
サボリ癖多い奴らがいっぱいいるんだな、騎士団って。
…発光、か。
流石に怪しいとは思うけど、発光するんだったら逆に綺麗なんじゃね?
だってあのポキポキ折って光らせる、ペンライトとかさ、色様々じゃん。
折れはしないけど、色様々で光ってる、ってことなのか?
「…要するにだな、太陽(サンシャイン)から貰った光を、夜に放出して発光しているんだ、あの森は。但し緑色に光る」
「(サンシャイン?日光?あ、ここじゃ太陽になんのかな)緑色に光るって怪しくないか」
「だからそれが解明出来ていないから中々近寄れないんだ」
へぇ。
不思議だなぁ。
緑色か…。
見てみたいっていう好奇心はあるな。
「―…見つけたよ」