街で君の唄を聞いた
「よく見つけましたね…大勢の中。この方は確かにそうです」
「本当かい?なら直ぐにやらなきゃな!」
え
話読めない。
どゆこと?
「レイヒちゃん」
「へぁ?」
しまった、間抜けな声を出してしまった!
「君は空(クラウン)の者だよ」
「くら……うん?」
「空ね、空。だから、君の世界に帰る方法が見つかったとしても、彼を救出してやらねばいけないことをやってからではないと帰せない」
え ええ えええ
半強制的!?
「空(クラウン)は僕等の上にある空と同じ。全ての世界を繋げ、全てを囲む空だよ。だからクラウンと呼ばれている」
「まぁつまりはお前が選ばれた者の中で最高位って訳だな」
「え ちょ それ困る…」
ありがちすぎて、何か怖い。
別にあたしが来たくてココに来たわけじゃないのに。
どうして帰してくれないのさ。
沸々と怒りが込み上げてきて。
遂には
「…ぇ」
「「「え?」」」
「ざっけんじゃねぇ!!コッチに来たくて俺はは来たわけじゃねぇのにふざけんじゃねぇぞゴルァ!!冗談で言っても通じねぇぞコラ!なぁにが“彼を救出してやらねばいけないことをやってからではないと帰せない”だぁ!?冗談は程々にしろ!!何で帰る方法が決まったら自由に帰っちゃいけねぇんだよ!!もし方法が見つかってその時しか帰れなかったらどーすんだよ!?責任とれんのか!?取れねぇだろ!?無責任な事口にだして言ってんじゃねぇよ!!」
…ぜぇ はぁ… ぜぇ… はぁ…
「今俺っつって口調可笑しくなったって思っただろ?俺がか弱い女の子だと思った?ざーんねーん。俺には二人兄貴がいるんでね。口調とか全て受け継がれた感じだから。別に女の子がこういう言葉使ってもいいでしょ?制限されるなんて嫌。虫唾が走る。全て自由が好き。自由で何が悪いのよ」
「レイヒ 落ち着け」
「落ち着け?落ち着けるわけねぇだろ。何いってんのヴィーノ。無理やりっぽいことされて、平気だっていう方が可笑しいんじゃない!?危ないって時に異世界に来るっていうのがありきたりで、選ばれし者っていうのがありきたりで!!そうゆうの嫌なんだってば!!」
「レイヒ!!」