赤ずきんちゃん×オオカミくん
「・・・人間、かな」

迷ったあげく、結果はなんとも普通な感じだった

「えぇ・・・ もっとこうー百獣の王とかいろいろあるじゃない?」

「うん でもオレにはぴったりかなって」

オオカミとして生きるのは別にイヤじゃない。

今だってこうして生活できているし何より自由がある

でも、一つだけ嫌なことがあるとすれば

自由すぎる、ということだ

もちろん、ルールに縛られるのは誰だって嫌なはず。

だけどルールがないということは何をしても良いということ

・・・使えない仲間を殺しても良い、ということだ


「オレさ、知っての通り 弱虫で自信なくてよっぽどにならない限り手も足もでないダメなオオカミだからさ ・・・何度か仲間に裏切られたり瀕死の怪我負わさせられたりいろいろ大変だった時期があってさ」

その頃からずっと思っていた

ーなんでオレはニンゲンとして生まれられなかったんだろう

母親を憎んでるワケじゃない

むしろ生んでくれたことに感謝しているくらいだ

だけど一つだけ。

不満を言って良いのなら。

「なんでオレをこんなにダメなオオカミに育てたんだよ・・・」

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