愛する意味
男の子はコーヒーをブラックでオーダーしていました。


舞より少し年上かな?っていう印象。


男の子のコーヒーが運ばれてきて、一口飲むと、タバコに火をつけました。


舞はあまり煙が好きではなかったものの、我慢しました。


それに気づいた男の子は『ごめんなさい。気づかなくて』と言いながら灰皿にタバコをキュッキュッとしながら消しました。


舞がオレンジジュースを飲んでいると、男の子が突然、『俺の周りでストロー使って飲んでる人、初めてみた…な』と言い始めました。


『えっ…?!』って声を出していました。


笑いながら『まじ、はじめてなんだよ』とまじまじ舞を見つめてきました。


何だか舞は恥ずかしくなってきて、『あまりみないでよ』と笑いながら言いました。



舞と男の子は顔をみあわせました。


舞の心に、何か電気みたいなものが走りました。


男の子は窓に目を向け『あっ、友達来たからいくね』と席を立ち上がりました。

『あ…はい。またね』


でも、振り返らなかったから聞こえてなかったみたい。

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