シオンの詩
「電源が生きてる」

シオンは不思議そうに突然ついた照明を見上げながら言った。

「おかしくはないさ。この研究所は太陽光発電で自家に電力を供給できる。それより見ろ」

クレネカの視線の先には破壊された機械の残骸が無数に散乱していた。

シオンは残骸の小さな欠片の一つを拾いあげながら言った。

「まだ古くないね」

「最近ココで何かあったのは確かだな」

クレネカがそう言うとシオンは持っていた機械の欠片を捨て静かに後ろの腰のホルスターから銃を引き抜いた。

「どうした?」

クレネカの問いに何かに視線をあわせようとしながらシオンは答えた。

「何かいる…」
< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop