飴色蝶 *Ⅱ*
沈黙が流れる中

ボソっと庵が呟いた。

「後悔しないか
 俺なんかと一緒になって?
 こんな俺、お前には・・・」

菫は、そう話しながら
目を伏せる庵の手をとり
きつく握り締めた。

「・・・似合わない」
 
「後悔なんかするわけない
  
 私はずっと、イオリ
 貴方だけが好きなんだよ
 
 恋に落ちた
 あの日からずっと
 貴方は、私の憧れの人」

庵は、彼女を強く抱きしめた。

「すみれ、一緒になろう
 俺の傍にいて
 何処にも行かないでくれ」

「何処にも行かないよ」

未来を誓い、抱きしめ合う二人

色づく世界・・・・・・

大きく揺れる荒波が

貴方を飲み込む?
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