†禁愛†~明日もあなたをスキになる~【完】
  

「なぁ…叶音。」


 闇夜の中から声をかけられて肩をビクつかせる。


「叶音…」


「やっ!!」


 肩に手を置かれて叶音は、怯えた。


「“やっ”、じゃないだろう?」


 息が耳にかかる。


「おいで、仕事の時間だよ。」


 毎夜の死刑宣告。


「…っ……はいっ。」


 叶音は、小さな声で答えて闇の廊下に姿を消す。



 慈しみ深き 友なるイエスは
 罪咎憂いを とり去りたもう



「叶音…イイよ。」


「っ…うっ……
(気持ち悪い…)」


 叶音は、瞳を濡らして耐えていた。


  
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