容姿端麗6人組
後ろに落ちそうになった私を、つーちゃんが手を伸ばして引き上げようとしてくれた。
でも、私とつーちゃんの手は指先だけが触れて、掴む事が出来なかった。
「怜っ!!」
つーちゃんが焦りながら、私の名前を呼ぶ。
ガタガタガタガタッッ!!
私は階段を転がり落ちた。
男の子と一緒に……
男の子は、校門に見た美男子クンだった。
「俊っ!」
その美男子クンは、俊と呼ばれてた。
もう一人の美男子クンによって…
その美男子クンは、俊っていう人の隣りに駆け寄った。
「怜っ!大丈夫!?」
つーちゃんも階段をかけ降りて、心配そうに声をかけてきた。
「ちょっと痛いけど、大丈夫。」
少しだけ笑みを浮かべて、言った。
私はかばってくれた俊って人。
ちょっと痛そうにしてる。
「あの、大丈夫ですか?」
「あぁ……」
「良かった…。本当にありがとうございました。」
「いや…、別に。」
何か素っ気ない人。
俊って人のことを、そんな風に思ってたら……
行こうぜっ!!
先輩達がそう言っているのが聞こえた。
すかさず立ち上がった俊って人。
先輩の腕を掴もうとしてたけど、その前につーちゃんが掴んでた。
美男子クン二人は、目を丸くしてた。
つーちゃんはそういう子。
いっつも気に入らないことがあれば、素直に行動する。
「ちょっと、黙って行く気?謝りなさいよっ」
つーちゃんは先輩を睨んだ。
「君、先輩になんて口を聞くのかな?」
先輩は不気味な笑みを浮かべながら、つーちゃんを壁に押しつけた。