悪女と良男




そしてあっという間に授業後。



「コウスケくーん!

待った?」


教室でコウスケが正門にいるのを確認したのは今から10分前。

やっぱりね、こういうのは駆け引きでしょ。


すぐに走って行っちゃうようじゃ男が調子にのりかねない。

コイツは俺に惚れてんだな、って。


だから待たせることもたまには必要。



『いや、そんな待ってないよ。

じゃあ…行こっか』


コウスケは歩き出す。

こういうとき手を繋がない男もあたしは初めてだ。


いつも付き合うようなタイプの男はすぐに肩を抱いてきたり、とりあえずスキンシップが多かった。







< 25 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop