なきむし ころちゃん
ドロップキック
「オワッタ~!」

チャイムがなると
みんな一斉に笑顔になった。
男子が浮かれて変な声をあげるから
アタシも思わずフイてしまった。

高校最初の試験が終わったのだ。

受験が終わってやっと
希望の高校に入れたのに
またすぐ試験なんて、
本当やんなる、、

「ねぇミオ、今日グロス選ぶの
 つきあってくんない?」

前の席のエンマミ(エンドーマミコ)が
振り返ってアタシの顔をのぞきこんだ。

アタシはサッと左眉を手で押さえて
ニヤつくエンマミを思いっきりニラんでやった。

「別にいいケド、
 アタシの顔(特に眉毛)は
 見ないって約束してくれたらね」

「なんで?似合ってるよ
 左右対象じゃないところなんて
 本当サイコ―だし」


エンマミがアタシを
いい子いい子して
なだめる。
けど、目が笑ってる~っ

「本当イジワル」


アタシはムクれっツラで
悪態をついた。




< 3 / 18 >

この作品をシェア

pagetop