泡沫の契り




彼女を濡らす雨は、

一向に収まらず量を増すばかりだった。


それでも彼女はそこから動こうとはしない。


たった一つの、

大切な人との約束を

守るために。



すると彼女の見つめていた向こう側から、

一つの影がこちらに走ってくる。



それが誰か分かった瞬間に
もう彼女は、駆け出していた。




< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop