貴様!何様?会長様!?



言い合ってる2人を背に、俺は生徒会室を後にした。



吉野はまだ、印刷室から帰ってこない。



…イライラする。



俺には関係ないと言った、アイツを思い出すたびに。



あの時の吉野の顔が、頭から離れない。



消そうとすればするほど、無駄だと思い知らされ。



余計にイライラが募っていく。



――――……



「零、おはよ」



翌日、裏庭のベンチで寝ていた俺に、聞き慣れた声が降ってきた。



「………」

「なに授業サボってんの」



そういう自分だって、同じだろう。



そう思いながら、俺は得に動こうとしない。



「…選挙、大丈夫?」



珍しく真面目な声なんか出してるナギ。



「…なにが」



俺は顔に本をのせたままの状態で、短く返事をした。



< 172 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop