貴様!何様?会長様!?
そろそろHRも終わるころだろ。
早いとこ猫を捕まえにいかないと。
うっかり口を滑らされても困る。
そんな思いで、1年の教室へと足を進めた。
すると、廊下にしゃがみ込む人の姿が目に入った。
「ほんとごめんなさい!」
「大丈夫だよ?ほら、もう集まった」
どうやら1人が、教室に持っていくはずの配布物を廊下にばらまいたらしい。
それをもう片方が手伝っているのか。
……あ。
あの手伝ってる方、吉野華奈…?
あんなお節介までやってんのかアイツ。
最初に会った時も思ったけど、とことん変わったヤツだ。
「はい、これで全部だよね」
「うん、本当にありがとう!」
ペコッと頭を下げて立ち去ったのを見送ってから、俺は彼女に近づいた。