貴様!何様?会長様!?



少しの間だけ、私が我慢すればすむ話しだし。



ナミちゃんは、「生徒会に言って犯人を探すべきだ」って言うけど。



みんな今はそれどころじゃないだろうし。



仕事を増やす訳にはいかない。



「華奈ちゃん、これ空き教室まで頼めない?」



昼休み。



いつものように沢口先生に美術室に呼ばれ、雑用を任された。



沢口先生は、机の上いっぱいにプリントを広げて、なにやら忙しそうだ。



「どうせ断る権利、私にはないですよね?」



沢口先生から数冊の本を受け取りながら、尋ねてみた。



「そうなるね」



笑顔の沢口先生を背に、私は資料室へと向かった。



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