エゴイズム☆キララ
俯いたまま動かない美亜に



「早く中に入れ」



強めの言葉で言うものの、頭をポンポンと撫でた



「……うん」



少し落ち着きを取り戻した美亜は靴を脱ぎ、そのままお風呂場へ駆け込んだ



要は玄関を去る美亜の背中を見て、溜め息を漏らしていた






脱衣所に篭り、お風呂に入るため身に付けている物を取り払った



洗面台にあるスペースに外したピアスを置き、顔を上げると

鏡の中に映る頬を染めた自分と目が合った



「……キス…した…」



拒もうと思えば拒めた筈


買い被りかもしれないが、石川誠二という人間は無理強いをしないと思う



……でも…



「…嫌じゃなかった」



目の前に映る人物の頬が、更に紅色に染まった
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