オカンの館
 
その時。










   ブシッ!!








ものすご~く、にぶ~い音が〝どこからか″聞こえた瞬間、オレは雪にまみれてぶっこけた。




駆け寄る章子。


「りゅ、竜太郎君、大丈夫~?」


半泣きの顔を見ると、痛いとも言われへん。


「だ、大丈夫や。ヘヘへ。ちょっと失敗したな」


〝ちょっと″ちゃうやろ?

なんや、メッサ痛いんですけど?


オレは体についた雪を払いのけ、散乱したスキー板を抱えあげた。
 
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