サクラノコエ
「な、なんで? って」

俺もだけど、やっぱり理紗も相当鈍いらしい。

こんなことを言えば、自分に気があるんじゃないかと勝手に勘違いする女も多いというのに……

俺が自分のことを好きなのかもしれない、と理紗は思わないのだろうか?

「いいだろ、別に! お前「なんで?」とか聞くなよ」

言いながら、照れ隠しに理紗の頭をグリグリと撫でる。

青くなったり、赤くなったり、最近忙しいな、俺。

「もぅ! 犬じゃないのに」

俺の手を払おうとしてジタバタする理紗。

「無駄だって。俺のほうが手ぇ長いし」

それを上から押さえ込み笑いながら、ふと心に引っかかりを感じる。
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