サクラノコエ
『なんの興味もない』とはいえ、見ず知らずの女から突然「ファンです」なんて言われたら、正直悪い気はしない。

ぽっかり空いた穴を埋めるように、思わず村田理紗にメールを送ってしまいそうになったが、やはりそれも思い留まりおとなしく家に帰ることにした。

校門まで来たときだった。

学校の桜の木を見上げている女が目に入った。

はらはらと舞い散る桜を眺めながら、少し悲しげな表情を浮かべている。

胸しかはっきり覚えていないが、多分あれは……

「あ……」

俺が思わず漏らした声に気付いたのか、ハッと我に返るようにその女はこちらを振り向く。

やっぱり間違いない。村田理紗だ。
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