南トイレ
その街は東京のような都会らしさと京都のようなレトロな街並みが入りまじる少し変だが憧れを抱く街だった。
「探検でもするか!!。」
高校生が柄にもはしゃいだ。
どこからか甘く香ばしい香が鼻に入れば、花ような香もする。
そういえば、いつもなら腹が鳴る時間だが、なぜか今日はそれがなかった。
「今はこの空気に夢中になっているからだろう。」
と純粋に思った。
人が賑わい、みんなが笑顔で、楽しい街。
争いなんて決してなく、苦しみ、悲しみ、すべてのことからも逃げれるような.......。
ずっとここに居たいな。
本気でそう思った。
退屈でありふれた高校生活よりも、ここに居ることの方が楽しいに決まっている。
そんなことを考えている時に目入ってきたのは、あの木の下の少女だった.........。