君を想うと~triangle love~
真剣に怯えながら話をすると。




「センパイはおもしろいね。理央はちょっと怖いトコもあるけど優しくてイイコだよ??
変なの持ってっても笑ってくれるよ♪」








のっほほーーん。








ふんわりした笑顔を振り撒きながらノーテンキなことを言い出す、伊織。







「あ…、そう…。」








そりゃオマエにはあの肉食女子も甘々だからなっ!!!

そりゃー怒りはしねーだろうよ!!!!!!!!!











と、喉まで出かかった言葉をグッと飲み込む。




うっかり一ノ瀬に何か言われた日には俺の命が終わってしまうから。








「あ~。楽しみだな~、クリスマスパーティー♪」










そう言って。
アイツは俺の制服の裾をギュッと掴む。








「秀人センパイと初めて過ごすクリスマスだもん。
凄い…楽しみ。」












ドキィッ!!!!!!!!







アホか、コイツ!!!!!!

俺を心臓マヒで殺す気かぁっ!!!!!










高宮伊織を送るようになって気づいたこと。










伊織は…
恋愛に関しては恐ろしく鈍感だ。











俺の気持ちは一ノ瀬はおろか、部活の奴ら全員の知るところになっているのに…、アイツが気づく気配はまったくない。









「センパイは好きな人いるの?」

とか

「彼女欲しいって思わないの?」






とか、平気で聞いてくる。







そのたびに俺は


「今はキョーミない。」


って答えてる。
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