君を想うと~triangle love~
バスン。
誰もいないリビングのソファーに大の字になって倒れこむ。
「な~にやってんだ、俺。」
一人になった瞬間、自分の不甲斐なさにますますヘコむ。
右手で目頭を押さえると瞼の裏にはアイツの怯えたあの目が浮かぶ。
伊織を抱きたいと思ったことは悪かったとは思わない。
好きなら当然の気持ちだと思うから。
伊織には悪いけど謝るつもりなんてさらさらないんだ。
だけど…
自信はなくす。
女ってわかんねー。
“触れてるとホッとする”
なんて言いながら触ると怒る。
マジでわかんねー。
手の甲を額に当てて“はぁ~”とため息をつくと。
カチャン…
リビングの扉が開く音が、部屋の中に響く。
「しゅーちゃん…??」」
耳に響くのはアイツの不安そうな声。
「ごめん…ね。突然だったからびっくりして……。」
「……。」
「ごめん…なさい…。」
伊織はシュンとした声で謝りながら俺の寝てるソファーの前にパスンと座る。
「……。」
ダメだ。
伊織は伊織なりにいろいろ考えて謝ってくれてんのに…、アイツの声を聞いてるだけでイライラする。
欲しいのに手に入らない伊織の全部。
今思えば焦ってたんだ。
あの頃の俺は伊織のコトが好きすぎていつだって不安だったから。
俺が目を離したスキにどこかに逃げてっちゃうんじゃないかって。
だから…、伊織の全てを貰えれば安心できる…って。
ガキな俺はそう思って焦ってたんだ、きっと。